演奏曲:
Bag's Groove
One Note Samba
The Days of Wine and Roses(Vocal)
Spain
Our Love Is Here to Stay(Vocal)
Body and Soul(Vocal)
Confirmation
Straight, No Chaser
Watermelon Man
私は今のところそんな状態ではありませんが、Art Van Dammeのことを思うと下手したらこの道を辿るのではないだろうかと思ってしまいます。
今回紹介します"INVITATION"はArt Van DammeのCDをインターネットで探しているときに頻繁に見たLPのタイトルで、Art Van DammeがThe Singers Unlimitedと共演しているということで、とても気になっているアルバムでした。
The Singers Unlimitedは男3人女1人という編成の1967年に結成さたコーラスグループ。ドイツのMPSレーベルに1971年に最初の録音を行って以来、1980年までに15枚のアルバムを発表しています。このグループの歌を初めて聴くとたいていの人は8人くらいのグループと思ってしまいます。というのも、このグループは多重録音で声を重ね、4人とは思えない多彩なハーモニーを作り出しているのです。アルバムデビューとなるOscar Peterson Trioと共演した"In Tune"やクリスマスCDの歌ものとしてはこれ以上のものが無いといわれる"Christmas"を持っていて、このグループのことは知っていたのですが、まさかArt Van Dammeとの共演作があったとは…
今回紹介する"INVITATION"はArt Van Damme QuintetとThe Singers Unlimitedとの共演アルバムで1973年6月に発表されました。
この意外な組み合わせは、Art Van Dammeがこの当時MPSレーベルで活動していたからのようです。(以前紹介したState of ArtはこのMPSレーベルから発売されています)
1950~60年代はVocalの伴奏にAccordionが入っているアルバムが案外とあるのですが、その殆どはサイドマンとしてスポット的に使用されていて決してメインではないものが多く、AccordionをリーダーとしたグループのVocalものをCDで聴くことができるという点でこのアルバムはなかなか貴重です。
1曲目:Spring is Here は、VibraphoneとAccordionとのユニゾンによるイントロから始まります。
この2つの楽器の音の組み合わせは絶妙なものです。Vibraphoneが入ることでGeorge Shearing Quintet的なCool soundになり、そこにAccordionの暖かみが加わってほどよいCool Soundとなっています。Art Van Dammeは数少ないアコデオンジャズ弾きの中では比較的Bopスタイルの演奏が多く、よく聴くとなかなか緊張感あるアドリブをしているのですが、Quintet演奏全体のバランスとしてはその緊張感が和らげられていて、ほっと力を抜いて聴くにはいい感じの音楽です。(Accordionという楽器がそう感じさせてくれるのでしょうか?)
Vocalものといえば、Vocalが主で楽器伴奏は従の関係が普通でありますが、このアルバムでのThe Singers UnlimitedとArt Van Damme Quintetの関係は対等です。The Singers Unlimitedはメンバー全員で集団発声装置という楽器になりきっているように私は感じます。メインで歌詞を歌っている部分もあるのですが、全編通じてスキャットやハミングでメロディをとったり、バッキングをしていてArt Van Damme Quintetとのコラボレーションは本当に見事。歌-伴奏の境目を感じないのです。
このCDを聴いているうちに、私はさらにArt Van Dammeの音源が聴きたくなってきました。
中古LPを扱っているサイトを見ていくと、Art Van Dammeのお薦めLPはまだまだありまして…
Columbiaレーベルのものでは数点CDで再発されていますが、さらなるCDの再発を祈るばかりです。
そうでないと、本当にLPレコードに手を出してしまいそう…